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枝野官房長官のクライシス・コミュニケーション

3・11東日本大震災が起こって以降、メディアを通じて、枝野官房長官の存在感が増しました。

イギリスのメディアは枝野さんのことを日本のジャック・バウアー(ドラマ24の主人公)と比喩的に持ち上げました。

枝野総理大臣?

イタリアなどの一部海外メディアは、枝野さんのことを総理大臣として間違って報道したほど。

もちろん、その背景には日本の総理大臣がコロコロ変わるので、なかなか顔を覚えてもらえない現実があります。

ともかく、官房長官のポジションは、アメリカで言えばホワイトハウスの報道官。企業で言えば広報責任者にあたります。

企業で広報を担当している一人の人間として阿久澤も枝野さんの動静に注目しています。

震災後、日本のクライシス・コミュニケーションの最重要責任者が枝野さんであることは誰もが認める事実。

そして、つい先日、仙石さんに代わって官房長官に就任したばかりの枝野さんはよくやっている、との認識を阿久澤は持っています。

顔色をほとんど変えずに、把握できた事実と状況、把握できたデータなどを淡々と伝えていることが一つ。

クライシス・コミュニケーションの要諦

憶測・推測でものを言わない。これが、クライシス・コミュニケーションの要諦。その部分を枝野さんはきちんと守っています。

そのため、初期段階においては、情報が小出しにしか出てこないので一部のマスコミはイライラを示し、枝野さんや官邸に批判的な論調を強めました。しかし、やはり枝野さんの対応は正しかった。

きちんと情報収集し、事実関係の把握を行い、「言えること」「言えないこと」を精査し、不確定情報を排除したゆえに、情報を小出しに段階的に出さざるを得なかった立場がよく理解できるからです。

この部分が弱く、一度、憶測や推測でものを言ったりすると、情報の修正や訂正が後に必要になったときに、マスコミに揚げ足をとられ、国民の信頼を大きく失い、混乱や曲解のもとにもなります。

この危機的状況において、政府とマスコミが不毛な対立や泥仕合を演じていたら、国民の間には混乱がさらに広がります。

(その意味では、前任の仙石さんはマスコミと敵対しがちだったので危うさを抱えていたような気がしています、あくまで個人的印象としてですが)

そうなると「クライシス・コミュニケーション」が「コミュニケーション・クライシス」に陥ることになります。

その点、これまでの枝野さんの対応はそういったリスクを最小限にとどめるものになっていると評価できます。
あくまで国民が冷静に状況を判断できる材料を提供することに徹している。

また、震災直後に拡大したデマや風評にも冷静に対応するよう、国民に早期に注意喚起したことも評価できます。

そういったわけで、阿久澤は枝野さんのクライシス・コミュニケーションを現在までのところ評価できると考えています。

関連記事:枝野官房長官から学べる10のこと:危機管理広報の視点から(the Public Returns – 続・広報の視点)

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