人事担当者の未来は明るい?それとも? 今後の人事に求められる機能と役割とは

企業で人事を担当している皆さん、人事のプロとしてはじめから一流を目指している人、成り行きでふと気づけば人事を担当していたという人、いろいろなケースがあると思います。

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そんな人事畑のあなたの未来は明るいのでしょうか?それとも、暗いのでしょうか?

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10年後になくなる仕事、コンピューターに取って代わられる仕事は何か、という議論を耳にしたことがあなたもあるかもしれません。さまざまな領域の仕事が議論されていますが、人事の領域はどうなるのでしょうか。

 

下記は、世界4大会計事務所の一つであるデロイトの人事担当者に関する調査報告書。

20160227_1Reinventing HR An extreme makeover

この報告書を読んで感じたこと、考えたことをシェアしたいと思います。

 

人事関係職は消えてなくなる?

この報告書によれば、調査を実施した中で人事担当者の働きぶりに満足している経営者は11%ほど。経営者側の期待と人事担当者の実際の仕事ぶりには明らかに隔たりがあるという結果になっています。たとえば、人事担当者は事務的に欠員補充などを行っているだけで、事業状況を把握した上で戦略的な採用活動を行っていない、といった不満を経営者は持っているようです。

最近はクラウドに蓄積された人材データベースが充実してきているため、そこにアクセスして、基本的な条件を設定すれば、コンピューターがデータベースの中から分析に基づき適切な候補者を推薦する仕組みも存在しています。それだけであれば、経営者自身で行うことができ、面接のセッティングなどの秘書や事務系職員に任せれば、極端な話、人事担当者はいなくても採用活動はカバーできてしまいます。

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そういった意味で、調整的な役割がメインになっている人事担当者は給料が上がらないどころか、将来的には職を失う可能性もあるという悲劇的なシナリオをこの報告書は提示しています。

【参考記事】

人工知能で変わる人事採用–「人事部」はAIに置き換わるのか?

 

逆転は可能

しかしながら、いくつかのポイントを押さえることで明るいシナリオが描けることをこの報告書は示してもいるのです。このポイントさえ押さえれば、人事担当者は組織の中で単に生き残ることができるだけでなく、経営者に頼られ、会社組織にとって不可欠な存在になりえるのです。

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そのために必要なのは次の4つ

  1. 事業を深く理解する
  2. 経営を理解する
  3. データを活用する分析能力の向上
  4. 3つの領域を設計して運用する能力

 

A.事業を深く理解する

リソース確保以上の価値を会社に提供するなら、人事担当者は会社の事業動向と現場で働く人々の状況を把握・分析して、深く理解する必要があります。そうした活動を通して、経営者や経営陣に見えにくい変化や課題に関する情報提供を行うことで、信頼も得られるはずです。

B.経営を理解する

なかなか難しいかもしれませんが、会社を経営的な視点で社内外から状況把握、分析・理解することが大切です。経営視点のない独りよがりな採用計画や人事関連の提案は、経営陣からすれば、わかっていない、ありがた迷惑な申し出と受け止められてしまうこともありえます。

C.データを活用する分析能力の向上

クラウドに蓄積されたデータと向き合い、あなたならではの分析・洞察を行いましょう。クラウドの中にあるデータを分析し、自分なりの仮説を導き出せるようになりましょう。そうすることで、コンピューターにあなたの仕事を奪わせるのではなく、コンピューターにあなたの仕事を手伝わせるようにしましょう。仮説を立て、施策を打ち出し、検証するスキルを身につけましょう。

D.3つの領域を設計して運用する能力

  採用、育成、そして社員満足度を高める、この3つの領域をあなたがイニシアチブを持ち、戦略的に実行していってバランスよく質を高めていくことができれば、あなたは組織にとって不可欠な存在になります。採用だけできても駄目です。育成や社員満足度だけがよくても駄目です。一つ突出すればいいのではなく、俯瞰的に全体を視野に納めながらやっていくことが大切です。

  ただし、これからの時代は勘に頼るのではなく、さまざまな客観的なデータを駆使しながら3領域の改善・改良を進めることができるので、本気で取り組めばきちんと成果が出せる時代に突入しているように思えます。

 

あなたはもっと上を目指せる

 この報告書は、あなたが単なる人事担当者以上の人間になれる可能性をも示唆しています。会社の意志決定に深くかかわる人々に、CEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)、CTO(最高技術責任者)といった最高責任者もしくはCレベルの人々がいます。そういった中で、あなたも人事の最高責任者というポジションをあまり見聞きしたことはないのではないでしょうか。

 

しかしながら、この報告書はそういった人々が会社組織の安定した繁栄にとって今後、不可欠になることを示しています。現時点では、CPO(Chief People Officer) 、CHRO(Chief Human Resource Officer)、どちらが最高人事責任者の一般的な呼称になるかはわかりません。しかしながら、何人かの突出した最高人事責任者が現れることによって、このポジションは世間に知られ、一般的なものになっていくはずです。

人事のプロとしてはじめから一流を目指している人も、たまたま、成り行きで人事を担当している人も、一度目を通す価値のある報告書だと思います。そうすることで、あなたなりの未来をより具体的に描けるようになるはずです。

 

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