ストーリー思考

謎と意外性

はじめに

 あなたが物語の力を「ここぞ」という場面で有効に使いたいなら、物語の持つ魅力について知っておく必要があります。

 特に、どんな物語に人は惹きつけられるのか、そのことを理解しておくことは重要です。とりわけ、あなたが他人を惹きつける魅力的な物語を語りたいと望むなら。


物語分析のトレーニング方法

 しかしながら、物語分析のトレーニングを毎日時間をとって行う必要はありません。
 海外から現在も注目を集めているゲームプロデューサーの水口哲也氏も言っていましたが、日常生活の中の自分の心の動き、特に自分が心を動かされた場面を観察し、記憶もしくは記録していけばいいのです。
 
 その材料はなんでもかまいません。ニュースやドキュメンタリー、映画、なんでもありです。
 
20世紀少年

 私の場合、最近見た映画に『20世紀少年』があります。漫画の原作は読まずに、いきなり映画を見ました。それでも、すごく引きこまれました。

20100121surprise.png

 その理由について考えてみると、「謎と意外性」がその鍵を握っているという結論に達しました。

20世紀少年 第1章 終わりの始まり 通常版 [DVD]
VAP,INC(VAP)(D) (2009-01-30)
売り上げランキング: 7327

 『20世紀少年』の謎は、人類滅亡をたくらむ悪の指導者「ともだち」は何者かという点に尽きます。  
 
 また意外性もふんだんに盛りこまれています。

 人類滅亡をストップしようとする救世主のリーダーがコンビニ店員「ケンジ」だったり、「ともだち」の地球滅亡計画が「ケンジ」が描いた子供時代の予言の書に準じていることなど。

HEROES

 たった今ふと気づいたのですが、人気海外ドラマ『HEROES』の設定もすごく似ています。
(私は一昨年からこの『HEROES』と『グレイズ・アナトミー』にハマって継続的にケーブルテレビで視聴しています)

 謎の人物による人類滅亡計画、それを阻止するキーマンになるのは日本人のオタク会社員ナカムラ・ヒロ。

HEROES シーズン1 DVD-SET 1
 
 根強い人気を誇る推理小説の面白さも、この「謎」と「意外性」が鍵となっているはずです。

 謎で惹きつけられ、その謎の解が予想外、意外性のあるものだったりすると読者は「やられた!」と思います。
 しかし、その感覚はきわめて心地よい「やられた!」であり、快感なのです。

おわりに

 物語コミュニケーションを実践していく上で、小説や映画のシナリオのような複雑でスケールの大きなストーリーを一から作りだす必要はありません。

 必要なのは、ちょっとした物語でいいのです。その中に、わずかでもいいから謎や意外性が含まれていれば、さらにいい。

あなたが語ろうとしている物語に謎と意外性はあるでしょうか?

もしくは謎と意外性が盛りこまれていたとして、それを受け手に感じてもらえるような話の流れになっていますか? 

一度、チェックしてみてはいかがでしょうか?

ピックアップ記事

  1. One Book, Three Points, One Actionから始めよう…
  2. 日常のコミュニケーションにストーリーを!
  3. 相手にアクションを求めるなら「失敗談」と「成功談」をセットにしたストーリーを伝え…
  4. ストーリーは「心」を動かすための演出

関連記事

  1. ストーリー思考

    日常のコミュニケーションにストーリーを!

    今回は日常のコミュニケーションにストーリーを 導入するメリットについて…

  2. ストーリー思考

    フレームワーク習得に役立つ「ストーリー型学習教材」活用のススメ

    ■フレームワーク、それは思考の枠組み情報を収集し、分析していく上で…

  3. ストーリー思考

    あるラーメン屋に立ち寄ったときのこと

    はじめに今回は、私が仕事帰りにふと目にとまった小さなラーメ…

  4. ストーリー思考

    今ここにあるマイナスをプラスに転化するストーリー思考 

     「こんな目に遭うなんて、ついてないよな......」あなたには、…

  5. ストーリー思考

    ストーリーに深みを持たせるには?

    あなたが自分で語るストーリーに深みを持たせたいと 思ったらどうすればい…

  6. ストーリー思考

    先日、悔しい思いをしました

    ■ はじめに…… ━━━━━━━━━━・・・・・先日、悔しい思いを…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

アーカイブ

  1. 日記

    殴られ、歯を折られた?
  2. 教育

    ジャーナリズム論2(第二回)
  3. 映画・写真・音楽

    裏窓
  4. 読書と出版

    『闇の王子ディズニー』
  5. 日記

    ご報告
PAGE TOP