デザイン

「伝わる」デザインの難しさ

banner_design.png
 最近になって実感しているのが「伝わる」デザインを実現する難しさ。
 前職で大学に勤務していたときも、デザイン系の仕事をいろいろやっていた。サイトのデザイン・更新やポスター、雑誌作りなどである。
 現在の仕事場でも、デザイン系の仕事は多い。一番、時間を割いているのは企画書の作成。他に、サービスカタログの制作・更新、自社サイト・リニューアル作業、携帯サイトの簡単なデザインなどがある。
20090806design.png
 しかしデザインに求められているものはまったく違う。


 過去に勤務していたのは芸術系大学だったので感覚的でアーティスティック、主観的なもので問題なかった。主に読んでもらう、見てもらうことに気を使いながらも自由にデザインしていた。
 しかし現職において求められているのはビジネスレベルでの「伝わる」デザイン。きちんと、ビジネス・パートナーである代理店やその先にいるクライアントにサービスのコンセプトや仕様を誤解を与えず、理解してもらわねばならない。
20090806lunch.png
 「伝わる」デザインにまで落としこむには、表現する対象を本質レベルでしっかりと理解している必要がある。本質的理解に到達している内容は自信を持って表現できる。
 
 一方で、理解が曖昧な部分は、表現としても曖昧さが残る。上司にチェックしてもらうとそれが顕著になる。上司はデザイナーではないが、本質を見抜く目は鋭い。
「ここはどう考えているんですか?」
「ここの流れ、具体的にイメージできていますか?」
 そうした質問を投げかけられて、はっとする場面がまだまだ多い。正直、とんだ勘違いをしていたと気づかされることもある。そうしたやりとりを通して、理解が深まると少しずつ「伝わるデザイン」が実現できるようになっていく。
20090806writing.png
 「伝わる」デザインに必要なのは、表現上の小手先のテクニックではなく、デザイン対象に対する本質的な理解だということが自分の中でも明確になってきた。
 とはいえ、まだまだ修行の長い道のりは続きそうだ。

ピックアップ記事

  1. 相手にアクションを求めるなら「失敗談」と「成功談」をセットにしたストーリーを伝え…
  2. ストーリーは「心」を動かすための演出
  3. One Book, Three Points, One Actionから始めよう…
  4. 日常のコミュニケーションにストーリーを!

関連記事

  1. デザイン

    図解DTP用語辞典

    ?某授業の教材作りのために調べ者をしていたら見つかったサイト…

  2. デザイン

    音楽と映像によるハレとケのエコロジー

    僕が所属する芸術メディア研究会のメンバーの一部によって構成され…

  3. お役立ちサイト/サービス

    Lovely Package

    デザインやアートのインスピレーションを得られるサイトを探している。…

  4. デザイン

    あえて不親切に情報を提示する戦略

    出版社の25周年記念。そんな情報を耳にしても、あなたはわくわくしな…

  5. お役立ちサイト/サービス

    ロゴデザインのインスピレーションを提供するサイト

    ロゴをデザインしたいと考えている。また、ときどき友人や知人にロゴのデザ…

コメント

  1. 初めまして。私も広報系の仕事をしていますが、コンセプトのあるデザインと、コンセプトのないデザイン(格好つけてみただけ)について日々話し合っている感じです。
    数値化できるものはいいですが、デザインはなかなかみんながわかる結果が出ないのが難しいと思います…。

  2. コンセプトをしっかりと軸にすえたデザイン、言葉で表現すれば一言で済みますが、実際に実現するのは難しいですね。
    たまたま私はコンセプト面をチェックし、アドバイスをくれる上司がいるので、徐々に進歩は感じられるようになってきているのですが、亀の歩みです。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

アーカイブ

  1. 広報・PR

    Yahooトピックスの選定基準
  2. ストーリー思考

    CAZANA連載 第2回記事が公開!
  3. ブログ

    ブログの媒体価値を測定する3つの指標
  4. マーケティング

    なぜ比較サイトの成約率は群を抜いているのか?
  5. ライフハック

    「機械的な挨拶を避ける」ことで共感センスを磨く
PAGE TOP