「伝わる」デザインの難しさ

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 最近になって実感しているのが「伝わる」デザインを実現する難しさ。
 前職で大学に勤務していたときも、デザイン系の仕事をいろいろやっていた。サイトのデザイン・更新やポスター、雑誌作りなどである。
 現在の仕事場でも、デザイン系の仕事は多い。一番、時間を割いているのは企画書の作成。他に、サービスカタログの制作・更新、自社サイト・リニューアル作業、携帯サイトの簡単なデザインなどがある。
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 しかしデザインに求められているものはまったく違う。


 過去に勤務していたのは芸術系大学だったので感覚的でアーティスティック、主観的なもので問題なかった。主に読んでもらう、見てもらうことに気を使いながらも自由にデザインしていた。
 しかし現職において求められているのはビジネスレベルでの「伝わる」デザイン。きちんと、ビジネス・パートナーである代理店やその先にいるクライアントにサービスのコンセプトや仕様を誤解を与えず、理解してもらわねばならない。
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 「伝わる」デザインにまで落としこむには、表現する対象を本質レベルでしっかりと理解している必要がある。本質的理解に到達している内容は自信を持って表現できる。
 
 一方で、理解が曖昧な部分は、表現としても曖昧さが残る。上司にチェックしてもらうとそれが顕著になる。上司はデザイナーではないが、本質を見抜く目は鋭い。
「ここはどう考えているんですか?」
「ここの流れ、具体的にイメージできていますか?」
 そうした質問を投げかけられて、はっとする場面がまだまだ多い。正直、とんだ勘違いをしていたと気づかされることもある。そうしたやりとりを通して、理解が深まると少しずつ「伝わるデザイン」が実現できるようになっていく。
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 「伝わる」デザインに必要なのは、表現上の小手先のテクニックではなく、デザイン対象に対する本質的な理解だということが自分の中でも明確になってきた。
 とはいえ、まだまだ修行の長い道のりは続きそうだ。

コメント

  1. 初めまして。私も広報系の仕事をしていますが、コンセプトのあるデザインと、コンセプトのないデザイン(格好つけてみただけ)について日々話し合っている感じです。
    数値化できるものはいいですが、デザインはなかなかみんながわかる結果が出ないのが難しいと思います…。

  2. コンセプトをしっかりと軸にすえたデザイン、言葉で表現すれば一言で済みますが、実際に実現するのは難しいですね。
    たまたま私はコンセプト面をチェックし、アドバイスをくれる上司がいるので、徐々に進歩は感じられるようになってきているのですが、亀の歩みです。

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