進行中の音楽プロモーションの提案資料がひとまず完成し、会議室で上司にプレゼン。
今まで、大学・学会・研究会といったところで、研究発表は何度も経験してきた。
しかし、ビジネスの世界に飛びこんで一ヶ月そこそこの今、ビジネス・モデルの提案やそのプレゼンに関して正直なところ、僕は素人そのものだと言っていい。試行錯誤の部分だらけだ。
やんわりとだが、上司のAさんにいろいろとツッコミを入れられる。
Aさんは前の会社で取締役をしていただけあって、できるビジネスマンそのもの。我が社のAさんの名刺を見ると、日本語表面は僕の所属部署の部長だが、裏面の英語表記は、Vice Presidentつまり副社長である。社長からの信頼の厚さが表れている。
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またAさんは僕が前職でつきあっていた平均的な大学の先生以上に教育者的な側面が強い。いろいろな実例やたとえが次から次へと口をついて出る。ものごとを整理して説明するのがうまい。
またAさん自身だけではなく、会社の成長軌道や、部下の育成方針においても明確なヴィジョンを持ち、それを周囲と共有する努力をしている。
入社して間もない日、帰り電車の中で「広報担当者も経営サイドの人間です。ビジネスを通じて経営を学んで下さい」とのAさんの言葉は今も鮮明に記憶している。
転職活動において、独立した広報部がある大会社をほとんど受けなかったのは、僕も同じ考えを持っていたからだ。
企業の広報パーソンの最大の目的は自社を成長させること。そのためには、企業ブランディングだけでなくマーケティングを意識した販促広報を視野に入れるべきだ。そのためには、広報パーソンとはいえ、企画や営業などに積極的に首を突っ込む必要がある。それは、大企業の広報セクションの一スタッフではなかなか難しいだろうという判断があった。
そうしたわけで入社して以来、企画パーソン、営業パーソンとしての修行も始まっている。
現在、ビジネス・パーソンとして僕はひよっこもいいところだ。しかし、きちんとした指導者が上司にいて、厳しくも親切にいろいろビジネスの考え方や流儀をマンツーマンで指導してくれる環境にある。実にありがたい。
今回もAさんによるマンツーマン・ビジネス・セミナー状態。Aさんの言葉に「へえ」「ほう」「なるほど」と心の中で感心しつつ、ビジネスの世界は思っていたより奥が深い、学べることは多いぞ、と改めて思う。
こうした感覚は、過去にした三度の海外留学で味わった感覚に似ている。渡航後一・二ヶ月後くらいに強く抱く思いにも。それは、目の前に課題は山積みだが、一つ一つ解決していくことで確実に人間的成長が可能だという期待と確信だ。
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