日記

周辺飛行

abe_kobo.jpgNAP(日芸・アート・プロジェクト)公演『周辺飛行』を仕事が退けてから他の文芸学科スタッフと見に行く。このパンフレット制作には文芸学科スタッフも編集協力した。
舞台の演出やキャストは演劇学科関係者だが、元光GENJIメンバーの大沢幹男氏、山口果林氏が特別出演。
演出には、芸術メディアを意識的に横断する手法がとられている。具体的には、美術的な大道具、楽器の生演奏、映像的な視覚効果などを採用。さらに物語世界に関しては、安部公房の文学作品群を大胆にカット&ミックスして構築している。


メインである演劇の身体表現もなかなかのスペクタクルだった。男性バレリーナばりの体の動きを見せる者もいたし、女性パントマイマーの動きも観客の目を釘付けにするには十分なものだったはずだ。
かつて僕自身も安部公房の作品が好きでよく読んでいた。印象に残っているのは『砂の女』『壁』『他人の顔』『箱男』あたり。安部公房の作品は、前衛的な世界観であるわりには、社会派、そこに独特のユーモアが寄り添うという印象を持っている。この舞台では、安部が問題にしていた主体と他者の問題を問いかけながら、それを重くなく軽いタッチでスピーディーにコミカルに仕上げたのだと感じた。
 『箱男』はひっそりと目立たないようにせいぜい大きな段ボール二段くらいかな、小説を読んだときには勝手に想像していた。この劇では、箱男の実写版(?)が出てきたが、少なくとも4段くらい積み上げられた段ボールが屹立し、動き出すとなんだか迫力があるというか、威圧感さえ感じた。
 文学性とエンターテイメント性のバランスがうまくとれた舞台だった。

ピックアップ記事

  1. ストーリーは「心」を動かすための演出
  2. 相手にアクションを求めるなら「失敗談」と「成功談」をセットにしたストーリーを伝え…
  3. 日常のコミュニケーションにストーリーを!
  4. One Book, Three Points, One Actionから始めよう…

関連記事

  1. 日記

    現場取材の重要性

     現在の仕事では、イベントがあれば現場に行き、取材して記事を書くのが…

  2. 日記

    江戸ワンダーランド 日光江戸村 2016 【2/3】 お食事処、せんべい焼き体験、花魁(おいらん)

    江戸ワンダーランド 日光江戸村より特派員としてご招待いただき、家族で訪…

  3. 日記

    マジックハンド越しの微妙な距離感

    2月3日の朝のことでした。 (さらに…)…

  4. 日記

    モバイルPCを修理に

    土曜日の朝、行きつけのファミレスで原稿をMuramasa CV-FW …

  5. 日記

    VINOを購入

     都市部と郊外のキャンパスの両方に僕の仕事場はある。郊外にあるキャン…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

アーカイブ

  1. 読書と出版

    T. ホプキンス R. ヒルバート 『グッド・マン 幸福を引き寄せる生きかた』
  2. 読書と出版

    「劇的(ドラマティック)」に「色」で売れ!
  3. 映画・写真・音楽

    Last.FM
  4. 日記

    リズムの発見
  5. 日記

    耐震偽装問題に見る報道被害
PAGE TOP