ダーク・スティール

あなたはロドニー・キング事件を覚えているだろうか。ロドニー・キング事件とは、1991年に起こったロス・アンゼルス市警の白人警官による黒人に対する暴力事件のことだ。いわゆるロス・アンゼルス黒人暴動の発端になった事件である。

この映画、ダーク・スティールはロドニー・キング事件をモチーフにして作られた作品である。カート・ラッセル演じるペリーはロス市警の白人私服警官でロドニー・キング事件の5日前に、黒人犯罪者を撃ち殺している。上司は死んだ父親の相棒だった男ということもあってか、ペリーは基本的に言われたままのことを実行してきた。強盗殺人の捜査の過程で、ペリーは上司が自分の情報屋二人組に韓国人商店を襲わせ、金庫を盗ませそこから現金をせしめていた事実に突きあたる。しかしながら、そのことを隠すための彼の上司の男は、まったく関係のない犯罪歴のある者を、真犯人としてでっちあげるようペリーに命令を下す……

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ロス市警の腐敗や警察内部の人種的対立や白人優位主義の構造をストーリーの中で痛烈に描き出している。特に、ロドニー・キング事件にかかわった白人警官の無罪判決が出た日に起こった黒人たちの暴動の様子が臨場感を持って描かれている。原題DARK BLUEは、警察官の青い制服が汚職や腐敗にまみれていることから、「汚れた制服」ぐらいのニュアンスのタイトルだと推察した。

人種問題を扱うトーンが途中から弱くなって、警察官の倫理の問題にのみ焦点があてられるようになってしまっている点はいささかストーリーとしての簡潔性やドラマ構成の上での手っ取り早さを選んでしまったのかな、と残念な部分。

『ストレンジ・デイズ』のようにメタファーとして、ロドニー・キング事件を思わせる設定や描写を挿入した映画は見たことがあったが、実際の事件に直接的な言及を行いながら、それを物語の文脈にうまく落としこむ努力をしたところは評価できるだろう。

参考リンク
ロス暴動 – Wikipedia

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