レベッカ・ブラッドの『ウェブログ・ハンドブック―ブログの作成と運営に関する実践的なアドバイス』を読んだ。レベッカ・ブラッドはアメリカにおいてウェブログの技術面ではなく、コンテンツ面に関するスポークスマン的役割を担っている女性といったところだろうか。
本書は、ウェブログ草創期の情報と雰囲気を知るにはとても役に立つ。それだけでなく、ウェブログを優位意義に活用していく上での具体的な心構えやアドバイスを提供する本である
いくつか興味ある部分をピック・アップしておくと、ウェブログはリタラシーの促進に一役買う。これは、受動的な情報の受け手から、ウェブログを書くことで能動的に情報を整理したり、発信するようになるからだ。また、ウェブログに標準装備されているコメント・システムは情報が集まるシステムである。
多くのウェブログ作者は書き手の自由を手に入れている。広告主や株主のプレッシャーから基本的に自由である。
ウェブログを書き続ける代表的な動機をレベッカは三点挙げている。個人表現への欲求、名声の確立、情報共有がそれである。僕個人としては、それに個人アーカイヴの作成という動機をつけ加えたい。少なくとも、ウェブログを継続していく僕の個人的動機はそれが一番強い。
レベッカ・ブラッドは個人にとっては、ウェブログを「指向性のある自己表現のためのプラットフォーム(p39)」だと述べている。継続的に文章を書いて発表していくことは自己認識を高めることになるとも。また、メディアとしては「従来のジャーナリズムを補完するもの(p39)」としての可能性を提唱している。ウェブログ・ジャーナリズムにレベッカが期待しているのはさまざまな立場の人間からの人間的な解説だという。
CMS(Content Managing System)の技術面に興味はなくとも、ウェブログ自体は趣味としてやっている、やってみたい、という読者はなかなか楽しめる本だと思う。
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