読書と出版

『文化と芸術表象』

『文化と芸術表象』渡邉守章・渡邉保・浅田彰(放送大学教育振興会,2002)
表象文化研究を扱った本でバランスのいいものが日本に初めて現れた、と言っていい。表象文化研究という概念が日本に入ってきてから、まだまだ日は浅いと言っていい。欧米においては、表象を扱った本はかなり出まわっている感があるが、日本ではまだまだ数が少ない。


以前、東京大学出版会から出版された「表象のディスクール」シリーズを期待を持って手にしたが、これはひどくがっかりさせられる代物であった。なんだか、質の悪い学生の紀要論文集を無理矢理まとめ上げたような印象を受けた。
しかし、放送大学大学院のテキストとして編まれたこの本は表象文化研究にまつわる問題系をきちんと系統立てて、とりこぼしのないように配慮が行き届いている。
ただ、難点もある。東大の大学院といい、この本の著者たちといい、どうも芸術やハイ・カルチャーの表象に重きを置きすぎで、日本における表象文化研究のありようを無理矢理ゆがめようとしている意図を感じるのである。そのあたりのことを差し引いて読めば、評価できる本である。

ピックアップ記事

  1. 日常のコミュニケーションにストーリーを!
  2. ストーリーは「心」を動かすための演出
  3. One Book, Three Points, One Actionから始めよう…
  4. 相手にアクションを求めるなら「失敗談」と「成功談」をセットにしたストーリーを伝え…

関連記事

  1. 読書と出版

    『伊那谷少年記』

    勤務先の大学の講師である下原敏彦先生から直接いただいた『伊那谷少年記』…

  2. 読書と出版

    失敗学のすすめ

    この本、 『失敗学のすすめ』(畑村 洋太郎著、講談社、2000年)の…

  3. 読書と出版

    ネットの「こちら側」と「あちら側」-『ウェブ進化論』を読んで-

    梅田 望夫著『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』ちくま新書、…

  4. 読書と出版

    読書にまつわる記憶

     小学校低学年の頃の読書にまつわる記憶とたどってみると.... (…

  5. 読書と出版

    大百科という言葉に弱かった

    僕の場合、けっこう環境的に恵まれていたと思うのだが、高校二年生くらい…

  6. ライフハック

    【ザイガニック効果】あえて脳をざわつかせて活性化する読書術

    あなたはザイガニック効果をご存知でしょうか。「未完結な情報や途中で中…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

アーカイブ

  1. 日記

    ウォーキング、Podcasting
  2. 読書と出版

    江古田文学 68号
  3. 日記

    スマートノートからPDCAノートがスピンオフした件
  4. ストーリー思考

    重要だけれど忘れられがちな企業ブランディングのポイント
  5. 研究

    波多野哲朗先生の講演
PAGE TOP