Research Skills&Methodsのクラスで、三つのグループに分かれて、それぞれ違うトピックでディスカッション。僕のグループではアカデミック・ディスコースについて。History of Film and TVのMphilグループはドキュメンタリーを作る上で必要になるインタビュー・スキルについて。もう一つのグループは「American Studiesとは何か?」について。
グループ・ディスカッションの後、クラス全体でそれぞれの議論の内容をレビュー。その中で「American Studiesとは何か?」という内容がもっとも突き詰めにくいトピックだったと思う。
American Studiesは、簡単に言えば、近年頻繁に耳にするようになったinterdisciplinary(学際的な)というよりは、むしろmultidisciplinary(他分野的な)領域だという前提がある。そこには、社会学、人類学、政治学、国際関係、カルチュラル・スタディーズ、経済学、歴史学などだけでなく、その他にも広大な領域が含まれる。
一つの大学や学部がAmerican Studiesの領域をすべてカヴァーすることはできないので、言ってみれば三つか四つの強調領域というものを置くのが通常だ。
僕がかつて交換留学していたワシントン州立大のアメリカ研究科では社会学、メディア学、大衆文化史、マイノリティの文学が強調領域だった。
現在、僕が所属しているバーミンガム大学大学院アメリカ研究科では、外交政策、視覚文化研究、還大西洋学、グローバリゼーション学などが強調領域だろうと思われる。
このように国や地域、また大学によって強調領域は大きく異なる。日本におけるAmerican studiesはまだ始まったばかりで、数えるほどしか大学の学部レヴェルでは存在しないので、傾向を論じるのはまだ難しい。ともかく、国や大学の学部の数だけさまざまなAmerican Studiesのありかたが存在する。それを包括的に要約するのは不可能だろう。ともかく、言えるのはアメリカ関連の研究領域だ、ということくらいだろう。あえて言明するほどのことではないけれど。
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