写真の歴史関係の資料を読んでいて見慣れない言葉、albumen printsが繰り返し登場した。albumenを英英辞書で調べてみるとalbminと一緒だという。albminは以下のように定義してある。
Albumin is a protein that is found in blood plasma, egg white, and some other substances.
(c) HarperCollins Publishers.
(c) HarperCollins Publishers.
血漿・卵白などに含まれる単純タンパク質のアルブミンということはわかったが(いや、本当のところはアルブミンの特徴や性質など全然わかっていないのだけれど)、それがどうして写真のプリントと関係するのかは、ちょっと、とというよりはむしろ全然イメージできなかったので調べてみた。
THE PRINTSの解説によれば、
アルビュメンはイギリスのウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットによって発明されたカロタイプ(世界最初のネガ・ポジ法)に使用する紙ネガ部分の改良を目指す中で、1850年フランスのルイ・デジレ・ブランカール・エヴラールによって発表されました。日本名を「鶏卵紙」と呼ぶようにこの印画紙の特徴は卵白(鶏卵の白身)を使用するところです。
なんとなくわかった気もするが、どういったプリント結果を得られるのかを知りたいと思い、以下のページを見つけた。
Three Albumen Photographs of Rotterdam, Netherlands
鶏卵紙を知っていますか?
古めかしく、ある意味でノスタルジックなセピア・カラーの仕上がり具合が特徴のようだ。
あくまで素人的立場から写真史をちょっとずつ学んでいるが、現在の写真にたどり着くまでいろいろな紆余曲折があったようだ。印画紙に卵白を使うなんて、かなり突飛なアイデアに思えるけれど、想像以上に高いクオリティのプリントができあがっているのを確認して舌を巻いた。
関連リンク
D-Lib Featured Collection May 2003. Albumen Photographs History, Science and Preservation
think_photo.net
写真史年表
注
ここで使用した写真はパキスタンの都市、カラチの写真。Sindh and Baluchistan Albumen Photographsより。
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