マイ・ビッグ・ファット・ウェディング(原題はMy Big Fat Greek Wedding)をシネマ・メディアージュで観てきた。
ストーリーをごく簡潔に表現するならば、典型的なギリシャ系のヒロインが、家族の期待に背いてアングロ・サクソン系の男を好きになって結婚したさいの顛末記ということになるだろうか。
アメリカに移民してきたギリシャ系コミュニティーにとって、それ以外のエスニシティーに属する者は当初、他者としてしか認識できない。そんな他者と恋に落ちた娘を父はなじる。他のギリシャ系の家族や親戚も同様である。しかし、主人公の恋人イアンはなんとかその壁を乗り越えようとする。ギリシャ正教の洗礼を実際に受けたり、ギリシャ語を使おうとしたり….そして、最終的にはヒロインの父親も同じ人間同士だという認識に達する。なんとなくギリシャ系であることに居心地の悪さを感じていたヒロインも自分の文化に最終的には誇りを持てるようになるという結末であった。
ある意味ではエスニシティーの対立から和解までを道徳的に描いた映画とも言えるが、ユーモアを交え押しつけがましくない描き方に徹していた点が評価できる。また、そういった視点を持ち込まなくとも純粋にエンターテイメントとしてもきちんと成立していて後味のいい映画である。
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