中川理『偽装するニッポン』(彰国社,1996)を読んだ。 ディズニーランドが日本に持ち込んだポストモダン的な仮構世界。それは、ディズニーランドの閉鎖された環境では、それなりの統一性や総合性を形作っているように見える。
ディズニーランドの開園以降、ディズニー的なファンシーな記号は、日本の消費社会にさまざまなレヴェルで浸透していった。しかし、それは女子学生の好む小物や文房具といった商品だけでなく、公共の施設の装飾にも現れるようになった。動物の形をした交番、果物の形をした公衆トイレや駅、地元の特産品をあしらった公衆電話ボックスなど、その現れ方はさまざまである。
しかし、それは建築デザインとして幸福な形なのだろうか。それは、時に押しつけがましく、滑稽で、グロテスクな存在足りうる。ディズニーランダイゼイションという著者独自の言葉を使って、現状の問題点とその打開策を検討している。 写真による実例が豊富なだけではなく、学術的な成果もふんだんに盛りこんである力作である。
[覚え書き:p27,33,72,83,124,127,130,135,140,142,153,165,167~168,173,176,177,196,214,219,223,224,230]
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