日常のコミュニケーションにストーリーを!

今回は日常のコミュニケーションにストーリーを 導入するメリットについてお伝えしたいと思います。

社内決定事項の伝え方

最近、私が勤務している会社で週に一度、「ノー残業デイ」を 導入することが決まりました。

こうしたニュースは伝え方がけっこう大切です。

全社員が集まる朝礼で役員が前に出て そのニュースを告知する場面をイメージしてみてください。

たとえば、次に示すような あっさりとした伝え方だったら あなたはどう受け取るでしょうか?

「来週水曜日からノー残業デイを全社で導入することを決定しました。 水曜日は○時までに全員オフィスを退出してください。ご協力よろしくお願いします」

もちろん会社の方針でありルールなので、あなたはそれに従うでしょう。 

しかし、心のどこかに「唐突だなあ」という印象も同時に抱くのではないでしょうか?

実際、こうした伝え方をした場合、さまざまな憶測や あらぬ誤解を招く危険性さえあります。 たとえば、社員の間で次のような憶測がささやかれるかもしれません。

突然「ノー残業デイ」導入なんて…… 会社全体の業績が悪化してるのかな。 だから残業代や光熱費などコストカットに動きだしたんじゃないか…… 次のボーナスは出ないかもしれないな…… 仮にあなたが経営者なら社員にあらぬ疑念を抱かせる こうした事態は避けたいですよね。

何が問題だったのか

それでは、先ほどの説明の何が問題だったのでしょうか? それは、最低限の結論としての情報しか伝えなかったことにあります。 本人としてはポイントを簡潔に伝えようとしたのかもしれません。 しかし、受け手の側としてはワーキング・スタイルを 大きく変える制度導入について 十分納得のいく説明を受けたとは思えないでしょう。 言ってしまえば、不十分で不親切な情報提供だったのです。

それでは、どうすれば?

それでは、受け手に唐突な印象やあらぬ疑念を抱かせることなく 納得してもらい気持ちよく行動してもらうには どうすればいいのでしょうか? そんな時こそストーリーを語るべきなのです。 ストーリーといっても難しくありません。 別にドラマティックで感動的な展開が必要なわけでもありません。

「ノー残業デイ」に会社としてどのような意味を持たせているのか、 どんなプロセスを経て導入することになったか、 そうしたことを語るだけでも最低限のストーリーを語ることになります。

dog-624951_1280たとえば次のような説明の仕方はどうでしょうか。

「先週の役員会の中でスタッフの健康維持・促進と 新規事業のさらなる活性化をはかる目的で 来週より、ノー残業デイを導入することに決定しました。 まず、だらだらと残業して体調管理をおこって、 翌日の仕事に影響している人が時々見受けられます。 これを機に仕事にメリハリをつけ、普段から万全な体調づくりを心がけ 健康管理能力・意識向上に努めてもらいたいと思います。 次に、遅まで残業して 会社と自宅を往復するだけの単調な生活では、 みなさんのアイデアが枯渇すると言わないまでも、 決して豊かになっていかないだろうという判断からです。 プライベートでいろいろ勉強したい人もいるでしょうし、 特に、仕事場を離れて新しい経験をし刺激を受けることも スタートしたばかりの新規事業のさらなる活性化に 結びつくだろうとの考えからです……」

 今度は導入のねらいや理由を伝えています。 こうすることで唐突な感じを受けず、納得でき、 それならば前向きに協力しようという感じになりませんか?

 

前者と後者、説明手法の違い

前者は結論だけを突きつけた感じですが 後者は会社としての目的と導入の背景にある理由を 聞き手と共有する形になっています。 幸いにして、私の会社の上司も後者の伝え方をしたので 「なるほど、そういうことか」と素直に受け取れました。

おわりに

結論を伝えるだけでなく、そこに至るプロセスや背景や意図、 そういった結論を支えるストーリーを盛りこむだけで 納得感や共感を受け手にもたらすことができます。 特に、相手に協力や行動を 求めたいときは無味乾燥な結論を伝えるだけでなく ストーリーを盛りこんだ伝え方を意識してみてはいかがでしょうか?

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