■フレームワーク、それは思考の枠組み
情報を収集し、分析していく上でよりどころになる思考の枠組み、
一般的にこれをフレームワークと言います。
そのフレームワークを持っているか、
そうでないかが結果を大きく左右することがあります。
なぜなら、フレームワーク抜きでは人間はうまく情報の認識ができないからです。
たとえば、私が得意にしているストーリー思考に関しては、
自分の中で思考の枠組みとなるフレームワークができています。
新しい情報に触れるさい、そのフレームワークを使って、
即座に分析し、必要な課題解決法を見いだし、
最終的なアウトプットまでイメージすることは比較的容易です。
たとえば、人にインタビューを行う場合、
インタビューに応じてくれる人のストーリーを聞き出し、
文章にするという目的とゴールが頭の中ではっきり見えています。
それゆえ、具体的なインタビューの質問内容やその順番について迷うことはありません。
最終的なアウトプットを意識してはじめからシナリオを持って
材料を集めながら話を聞いているので、
インタビュー後、記事化することもさほど時間がかかりません。
逆に、フレームワークを持ち合わせていない分野や領域に関しては、
まったくそれが逆になります。
目の前に現れた情報を一つ一つ考えながら、
判断・処理を行うわけですが、
それは点としてのその場限りの判断・処理に終わってしまうことが多い。
その分野で共有されている常識的な枠組みやシナリオ、
それにともなったゴールに対する意識を持たず、点が線になっていないからです。
結果、将来予測を明確にした自信を持った判断ができない。
失敗も多くなる。
思考停止になる。
悪循環に陥るというケースにもなってきます。
■得意なモノだけにフォーカスしてもいられない現実もある
人生において、苦手なことを克服するよりも、
得意なこと、強みを伸ばしていくべき、と私は基本的に考えています。
しかし、しかし、です。
苦手だからといって、逃げまわってばかりもいられない
分野や領域もありますよね。
どうすべきでしょうか。
そのさい、苦手分野における知識や事例を
やみくもに吸収しようとするのは非常に効率が悪い。
■そこでフレームワーク習得型学習法
効率を考えれば、まず大ざっぱにその分野の枠組みとなるフレームワーク、
その分野固有のシナリオやストーリーというものを
見極めることからはじめるといいでしょう。
たとえば受験の時に、
数百ページある厚い問題集に一から取りかかろうとすると、
全体像もゴールもなかなか見えてきません。
嫌になって途中でやめてしまった……という経験をお持ちの方も多いと思います。
逆に、薄い一冊の問題集-たとえば毎日2ページ取り組めば一ヶ月以内で終わる程度-を
ともかく解いて最後まで終わらせてみた方が全体像がつかめるだけでなく、
達成感も早めに味わえます。
達成感を味わいモチベーションが高まるだけでなく、
自分の得意とする場所、苦手とする場所もはっきりし、
その後どうしていくべきかという戦略もはっきりしますよね。
■総論から各論へ
社会人になってからの苦手分野の克服も、
やはり同じ要領で取り組むべきではないでしょうか。
まず、薄い入門書や図解入りのカラー冊子などで
その分野の大枠となるフレームワーク、ストーリーや主流となっているロジックを
把握することを第一目標とする。
まず、総論を大雑把に理解してから
各論に入っていくということですね。
そうした学習アプローチに適したビジネス書や参考書が
最近になって増えているのは、
私たちにとっては朗報ではないでしょうか。
■「ストーリー型学習教材」活用のススメ
テレビドラマにもなった大学受験をテーマにしたマンガ『ドラゴン桜』、
経営学者ピーター・ドラッカーの『マネジメント』を
ストーリーに落とし込み映画化もされた
『もし高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』
それ以外にもたくさんあります。
比較的取っつきにくい分野でもストーリーの主人公に
感情移入しながら読み進んでいくと、大枠で流れやフレームワークがつかめます。
フレームワークをつかんだ上で、個人的に気になる、
深めたい場所をさらに深掘りしていく。
それがやはり効率のいいやり方です。
その意味で、その分野の全体像やフレームワークの
把握をスムーズにしてくれる
「ストーリー型学習教材」を大いに活用していきたいと私も考えています。
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