あなたの会社の会社案内やパンフレットは魅力的なものになっていますか?
この点について、ストーリー思考の立場から考えてみたいと思います。
あなたも過去にさまざまな会社案内やパンフレットを見てきたはずです。
しかしながら、ユニークだったり、魅力的なものはきわめて少ない、というのが本当のところではないでしょうか。
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私に言わせてみれば、世の中にあふれる会社案内やパンフレットのほとんどはその役割を十分に果たしているとは言えません。
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▼目次
よくある制作プロセス
そこにある背景を、その制作過程から考えてみましょう。
仮にあなたが会社案内やパンフレットの制作発注担当者になったとします。
そうしたさい、一番多いのが、広告代理店やデザイン会社の担当者と簡単な打ち合わせをして、あとは彼らに丸投げというパターン。
しばらくすると、見栄えのいい、カッコイイ会社案内やパンフレットが印刷会社から納品されます。
納品されたものを社内の他のスタッフに見せると、「カッコイイね。よくできているね」などといった感想が返ってきます。
できあがってきたものは確かになかなかのもの。
自分の会社の信頼性もちょっとアップした気がして、あなたも満足な気分に……
しかし……ちょっと待って下さい!
これ、よくある風景ですが、一番まずいパターンだと私は考えます。
カッコイイ会社案内に潜むワナ
決して安くない取材・撮影・デザイン・印刷・製本費などをあなたの会社は支払っているはずです。
そうした投資から、あなたの会社は費用対効果を引き出せたのでしょうか?
「なんとなくカッコイイ会社案内」であなたは本当に満足なのでしょうか?
振り返ってみましょう。
さまざまな会社の「なんとなくカッコイイ会社案内」をあなたもたくさん目にしてきたはずです。
その中に本当に魅力的なものがいくつあったでしょうか。
結局、そのほとんどが印象に残っていない……。
そんな現実に思い当たりませんか。
会社案内が果たすべき役割
会社案内やパンフレットが重要な営業ツールの一つだということをほとんどの人が忘れています。
あればなんとなくカッコがつく、くらいの意識しかないケースが圧倒的です。
しかし、しかしですよ、会社案内やパンフレットは、営業マンは必ず持ち歩くものです。
リクルートのさい会社説明会などで応募者に会社の魅力をアピールするさいのキーアイテムのはず!
もっと雄弁にあなたの会社の事業内容、プロダクトやサービスについて語ってもらうべきではないでしょうか。
世の中にあふれている「なんとなくカッコイイ会社案内」。
そうした会社案内が、それを手に取った人に与える印象は結局のところ、「どこにでもありそうな退屈な会社」「プロダクト」「サービス」なのです。
「なんとなくカッコイイ会社案内」はあなたの会社やそれを制作した広告代理店、デザイン会社の自己満足にすぎません。
きわめてモッタイナイ。
もし、あなたがこれから会社案内を作成しようとしているのなら「なんとなくカッコイイ会社案内」を目指すことを回避して下さい。
美しく、退屈なパンフレット
先日、イベントに参加するため、とあるアート系の専門学校を訪ねました。
イベントが始める前に、読んで下さいといった形でその学校の学校案内が手渡されました。
さすがアート系の学校、ものすごく洗練されて美しいデザインの学校案内。
はじめは私も興味津々で、パラパラとめくって、写真や説明を拾い読みしていました。
魅力的な人物、美しい写真が配置されていたにもかかわらず……不思議とその学校案内はものすごく退屈でつまらない。
なぜなのだろう、その理由を自分の中で探してみました。
そして、私がたどり着いた結論は次のようなものでした。
この会社案内は「サーカス型の会社案内」であるゆえに退屈なのだと。
「サーカス型の会社案内」とは?
かつて子供たちを中心に人々をワクワクさせたサーカスは、産業として衰退の一途をたどっています。
サーカスで、私たちは玉乗りや、綱渡りなどさまざまな妙技を楽しむことができます。
それを見終わった後の私たちはどのような行動をとるでしょうか。
いくつかの強く印象に残ったものは、それを見たときに感じた驚きを人に話したりするかもしれません。
しかし、そのサーカス全体のショーの流れについては語りにくいはずです。
なぜなら、そこで展開されているショー一つ一つが独立した見せ物として扱われているから。
観客にとって、そこから意味のある流れや構成を見いだすのは難しいのです。
ストーリーそのものを見いだせない、というのが一番の原因です。
ほとんどの会社案内やパンフレットで紹介されている情報は、実はサーカスと同じように
それぞれが独立していて、全体としての関連性がないか、見えにくいものです。
そうした情報を何度も興味を持って何度も眺め、読むでしょうか?
私はそうではないと考えます。
サーカスは、初めて見たときは驚きやインパクトはありますが、二度目のインパクトは一度目より落ちるのが容易に予想されます。だから、リピーターはつきにくい。
リピーターがつきにくい、というのはどんなビジネスでもうまくいかない不安定要因となります。
それが、現在のサーカス産業の衰退の一因だと私は分析しています。
そうしたサーカスのように全体を貫くストーリーがなく、それぞれの情報がぶつ切れで、読み返す気にならない会社案内を私は便宜的に「サーカス型の会社案内」と呼んでいます。
「シルク・ド・ソレイユ型会社案内」のススメ
しかし、同じサーカスでも別のアプローチがあります。
最も成功しているものはシルク・ド・ソレイユでしょう。
シルク・ド・ソレイユはサーカスのショーなら独立したばらばらの点だったものをつないで線にしました。
それにより、これまでのサーカスの中ではぶつ切れで脈絡がなかったそれぞれのショーが、ストーリーの中で意味を持った形で位置づけられるようになりました。
そうすることで観客は独立したショーそのものだけでなく、そこにある全体としてのストーリーを感じ、楽しむことができるようになりました。
そのストーリーが魅力的なものであれば、
また見てみたいとリピーターを生み出す原動力になります。
サーカスに「ストーリー」を加えるだけでこんなに結果は変わってくるのです。
ディズニーランドと遊園地
ディズニーランドと昔ながらの遊園地を比較しても同じことが言えますよね。
ディズニーランドは、各アトラクションにストーリーがあり、それに参加することで私たちは擬似的にそのストーリーに参加し、さまざまな意味をそこから読みとることを楽しむのです。
ディズニーランドもシルク・ド・ソレイユもストーリーをとりいれるだけで、子供だけでなく大人も楽しめる世界を創出しているという点でも共通しています。
おわりに
これから会社案内をつくろうとしている人、リニューアルを考えている人は、会社の魅力やプロダクト、サービスのから顧客が得られるベネフィットをしっかりと伝えるために「シルク・ド・ソレイユ型の会社案内」を目指すことを検討されてはいかがでしょうか。
トライしてみたいが、具体的なやりかたがわからないという方はご連絡下さい。ご相談に乗ります。
ぜひ、あなたの会社の会社案内やパンフレットにストーリーを導入し、魅力あるものにグレードアップしてみて下さい。
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