「号外! 号外! 号外!」
11月21日(火)の夕方、日が落ちて暗くなりかけた
JR新宿駅前を一人で歩いていると
大きな声が私の耳に入ってきました。
号外?
何か大きな事件でもあったのだろうか?
その声の発信源付近には
人だかりができていて
声の主が配る「号外」を受け取っていました。
早速、私もその人物の手から
「号外」を受け取りました。
「号外」の中身
その号外の見出しは
「TPPで日本が壊れる」というものでした。
別に大きな事件とかそういうものでは
ありませんでした。
号外というよりはむしろ
意見広告と位置づけるべき内容でした。
その「号外」を手に取って、
次に私が確認したのがど
この新聞社から発行されているか、でした。
ひらがな3文字で○○○新聞社とあって、
大手新聞社ではありませんでした。
にもかかわらず「号外」と街角で叫ばれると、
やはり気になり、
その中身を確認したくなり手に
取ってみたくなりますよね。
おそらく、あなたも同じような
心理状態におかれるのではないでしょうか。
つまり、これはそうした人間心理を
うまく利用した
ゲリラ・マーケティングだったわけです。
この試みにより、伝えたいメッセージを
普段の流通網ではアクセスできない
不特定多数のターゲットに
リーチできたはずです。
どういった形であれ、
彼らの当初の目的はしっかりと
達成しているわけです。
これは正直うまい、と感心せずには
いられませんでした。
ピーク・テクニックを活用したマーケティング手法
この、いわば「号外マーケティング」。
これは心理学でいうところのピーク・テクニック、
相手に「おやっ?」と思わせる言葉や問いかけを
利用して相手の関心を引く技術、
それをうまく活用しているのです。
事実、私自身「号外の中身は何だろう?」という好奇心には逆らえませんでした。
あちこちで頻繁にやられると狼少年状態になって誰も手に取らなくなるでしょうけれど、
あくまで十分な間隔を開け、
ピンポイントでゲリラ的に行うなら、
なかなか鮮やかなマーケティング手法だと思います。
おわりに
ストーリー思考の視点からも、この手法には学べる部分があります。
ストーリーで大切なのは、人の「心を動かす」ということ。
この「号外マーケティング」の手法は、初期の段階で、人の好奇心を抗いがたいほどに刺激します。
その意味で人の「心を動かす」ことに成功しているのです。
あなたのストーリーの冒頭に
導入できるピーク・テクニックのヒントも
以外とありふれた日常の中に潜んでいるものです。
ぜひ、そうしたものにもアンテナを
張って生活してみましょう。
たとえば映画や小説といった
ストーリー作品の冒頭でも
ピーク・テクニックがさまざまな形で使われています。
そうしたものに触れるさい、
ちょっとだけ意識することで
「これ、ちょっと使えるかも」といった
アイデアやヒントが得られるかもしれません。
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