バックストーリーとは何でしょうか? それは、わたしたちの無意識下に存在し、その人の人格や趣向の軸となっているストーリー、物語のこと。
私のバックストーリー
唐突ですが、わたしは食べ物に関して比較的好き嫌いが少ない部類に入ると思います。 ただ、幼いときから、現在に至るまでマロン・スイーツを好んでは食べません。 それは、その理由を考えると、あるバックストーリーに思い当たります。 その時、私は3歳でした。 たまたま、自宅の居間で、栗きんとんが詰まった四角い大きな缶の蓋を見つけました。
「前に食べたことがある。栗から作られた甘くて美味しいお菓子だ!」 私はそう認識しました。 キッチンからスプーンをとって戻ってくると、私はそれを使ってペースト上の栗きんとんを食べ始めました。 「おいしい!」はじめは素直にそう思いました。 しかし、栗金時の缶の5分の1ほどを食べたところで急に気分が悪くなりました。 それ以来、栗の加工食品が苦手になりました。食べられないことはないのですが、好んで口にしません。 これが私がマロン系スイーツを好んで食べない背景となっているバックストーリー。
過去の記憶をたどってみよう
厳密に言うと、バックストーリーは通常、無意識下のものなので普段は意識していないものです。 しかし、あなたの記憶のどこかには残っているはず。 たとえば、これは苦手、嫌い、自信がない、そう思う原因はどこにあるのだろう?と考えてみて下さい。 過去の体験の中に、現在のあなたのありかたを決定づけているものが見つかるかもしれません。 私の「栗きんとん?食べ過ぎストーリー」のように他愛のない、たった一度きりの経験にしばられている自分を発見し脱力することになるかもしれません。
バックストーリーの活用法
もう少しレベルの高いバックストーリーの活用法を考えてみましょう。 たとえば、人前であがりやすい、コミュニケーションが苦手といった、窮屈な固定観念にあなたがつきまとわれていたとします。 そうした場合、その固定観念を下支えしているバックストーリーを発見することは大いに意味あるのではないでしょうか。 自分のバックストーリーを理解し、整理・客観化することで思ったよりもたいしたことない、と思えるケースも多いと思います。 ネガティブなバックストーリーに支配されているなら、別のポジティブなバックストーリーで上書きしてみるのも有効な手段です。
おわりに
あなたの人生はそうしたストーリー、物語の宝庫であり、そうしたストーリーの蓄積と組み合わせが愛すべきあなたを形成しています。 ときどき、自分のストーリーに思いをめぐらせてみるのも豊かな人生を送る一つの方法なのでは、などと私は考えています。
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