『ホームレスから社長になった男の逆転法則』を読みました。
この本の著者ジョン・バードは雑誌「THE BIG ISSUE」の共同創業者。
ホームレスの人たちが街角で販売している雑誌「THE BIG ISSUE」の存在はずっと気になっていました。
ただ、正直なところ、一度も購入したことがありません。
その理由としては、雑誌の流通経路・収益構造などの背景情報を持っていなかったからです。
はじめて、この雑誌の販売員を見かけたのは2003年、イギリスのバーミンガム大学大学院留学中のことでした。
大学近くの決まった場所で「THE BIG ISSUE」を片手に掲げ販売するホームレスの人を平日、毎日のように見かけていたのです。
イギリスの不安定な天気の中で、雨の日も、厳しい雪の日も。
最近、阿久澤の行動範囲の一部である新宿西口でホームレス販売員の姿を見かけるようになりました。
photo by jetalone
それで、また気になりだしたわけです。雑誌「THE BIG ISSUE」の存在が。
それで調べたところ、共同創業者の本の翻訳が出版されていて、さっそくそれを読み終えました。
「THE BIG ISSUE」そのものに割かれた内容は決して多くありません。
どちらかと言えば、ジョン・バードがどうホームレス、少年院時代を過ごした後に立ち直り、そこから「THE BIG ISSUE」出版にこぎつけたか、その経緯が詳しく述べられています。
その中で、ジョン・バードが得てきた人生観・教訓が本の中心です。飾らない、誠実な語り口調、スタンスは非常に共感が持てます。
本書を手に取る前に私自身が、知りたかった「THE BIG ISSUE」はどんな雑誌か?という部分について簡潔にまとめておくと次のようになります。
発案者はザ・ボディーショップ会長のゴードン・ロディック。その友人で小出版社を経営していたジョン・バードに声をかけたというのがその一番のスタート。
「THE BIG ISSUE」の創刊は1991年9月、ロンドンにて。
その雑誌コンテンツはプロのライターやデザイナーによって制作されているが、販売できるのはホームレスの人々のみ。
雑誌の卸値と定価の差額が販売したホームレスの収入となるというシンプルな仕組み。
「THE BIG ISSUE」日本版は定価300円。そのうち、160円が販売したホームレスの人々の収入になる仕組み。
ホームレスの人たちに自分で稼ぐ機会を提供し、そこで得た利益によって彼らの自立を助けることが「THE BIG ISSUE」の最大の目的。
『ビッグイシュー』を売るだけでは悪夢や上や暴力から逃れることはできないが、自信を持つきっかけにはなる。
そうやって人生を変える小さな一歩を踏み出すと、突然、より大きな一歩も可能のように思えてくる。
(どちらもP176より)
雑誌を購入することで同じ地球上、同時代に住んでいる誰かをわずかでも助けられるのなら、そうしたアクションをすることに抵抗はありません。
ただ、それを支えている思いやシステムといった背景的なものをアクションを起こす事前に確認したかったというのが本音でした。
そのあたりがクリアになったので、
まず一冊「THE BIG ISSUE」を
購入しようと阿久澤は心に決めました。
これを読んでくれた、みなさんも「THE BIG ISSUE」を購入してみてはいかがでしょうか?
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