研究

CSについて

 此経教授の学部生のゼミの一つで、40分くらい時間をいただいて「カルチュラル・スタディーズについて」というトピックで話をさせてもらった。学部一年生のゼミで、カルチュラル・スタディーズという言葉を知らない学生もいるので、CSの基本的なコンセプトの説明をしつつ、興味を少しでも持ってもらうことが目標。サブカルチャー、ポピュラー・カルチャーに詳しい学生が多いということなので具体例を挙げての説明はできるだけその範囲からするよう心がけた。
 文化・社会・歴史というキーワードを説明するために、いわゆるエミネム現象を取り上げた。黒人たちがつくったサブカルチャーであるラップを取り入れることで、大成功を手にした白人ラッパーのエミネム。エミネムから入って、歴史的なコンテクストからアメリカ社会を考えるために、ロックンロールにおけるエルヴィス現象との類似点などをとりあげ、その共通したパターンから何が言えるか、という話をした。
 また、『マトリックス・リローデッド』が来ているので、その関連として昔書いた『マトリックス』に関する論文を日本語にしたもののコピーを作って学生に配った。一人の学生はその場で読んでくれて「めちゃめちゃ面白いです」といった感想をくれた。
その後、此経教授が司会として学生の質問や意見を吸い上げてくれ、それを基にいくつか話をした。その流れの中で、此経教授が考現学の立場からカルチュラル・スタディーズの現代的な位置づけについていろいろと語ってくれ、興味深かった。カルチュラル・スタディーズ的な問題意識に立った論文や研究内容について発表したことはあっても、カルチュラル・スタディーズそのものについて正面からあまり語ったことはなかったのでなかなか得がたい機会だった。

ピックアップ記事

  1. ストーリーは「心」を動かすための演出
  2. 日常のコミュニケーションにストーリーを!
  3. 相手にアクションを求めるなら「失敗談」と「成功談」をセットにしたストーリーを伝え…
  4. One Book, Three Points, One Actionから始めよう…

関連記事

  1. 研究

    公的意味空間論ノート(花田達郎著『公共圏という名の社会空間』第二章)

    花田達郎はハーバーマスの『公共圏の構造転換』で扱われたの内容に関して、…

  2. 研究

    ル・モンド・ディプロマティーク

    基礎の基礎だけは大学で学んだので、フランス語もドイツ語も辞書を引きなが…

  3. 研究

    Cultural Typhoon(Day 1)

    早稲田大学、教育学部棟で行われている第一回「CULTURAL TYPH…

  4. 研究

    テロとの戦い?

    アメリカという国は現代の地球や人類にとって、ひどく厄介な存在かもしれな…

  5. 研究

    New Topographics

    この言葉は1975年にニューヨークのロチェスターで開催された th…

  6. 研究

    ポストコロニアリズム

     これは岩波書店の「一冊でわかる」シリーズの中の一冊だが、入門的な概説…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

最近の記事

アーカイブ

  1. WEB

    最近のニュースソース
  2. 日記

    年頭のご挨拶
  3. 日記

    電子文書化への取り組み
  4. 広報・PR

    日記ダイジェスト(2009/06/29~07/03)
  5. 日記

    『カザーナ-CAZANA』さえぐさ編集長と打ち合わせ
PAGE TOP