此経教授の学部生のゼミの一つで、40分くらい時間をいただいて「カルチュラル・スタディーズについて」というトピックで話をさせてもらった。学部一年生のゼミで、カルチュラル・スタディーズという言葉を知らない学生もいるので、CSの基本的なコンセプトの説明をしつつ、興味を少しでも持ってもらうことが目標。サブカルチャー、ポピュラー・カルチャーに詳しい学生が多いということなので具体例を挙げての説明はできるだけその範囲からするよう心がけた。
文化・社会・歴史というキーワードを説明するために、いわゆるエミネム現象を取り上げた。黒人たちがつくったサブカルチャーであるラップを取り入れることで、大成功を手にした白人ラッパーのエミネム。エミネムから入って、歴史的なコンテクストからアメリカ社会を考えるために、ロックンロールにおけるエルヴィス現象との類似点などをとりあげ、その共通したパターンから何が言えるか、という話をした。
また、『マトリックス・リローデッド』が来ているので、その関連として昔書いた『マトリックス』に関する論文を日本語にしたもののコピーを作って学生に配った。一人の学生はその場で読んでくれて「めちゃめちゃ面白いです」といった感想をくれた。
その後、此経教授が司会として学生の質問や意見を吸い上げてくれ、それを基にいくつか話をした。その流れの中で、此経教授が考現学の立場からカルチュラル・スタディーズの現代的な位置づけについていろいろと語ってくれ、興味深かった。カルチュラル・スタディーズ的な問題意識に立った論文や研究内容について発表したことはあっても、カルチュラル・スタディーズそのものについて正面からあまり語ったことはなかったのでなかなか得がたい機会だった。
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