『大学講義の改革―BRD方式の提案』

学びと教育f
まずBRDというのは何だろう、というのがこの本を手に取ったきっかけだった。BRDとはBrief Report of the Dayの略で、日本語に訳せば当日レポート方式だという。授業内レポートのひとつの形ではあるが、コンセプトはかなりしっかりしたものになっている。

大学講義の改革―BRD方式の提案
宇田 光
北大路書房
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4 最善の策ではない、が…
5 目からうろこ

 BRD方式には4つの段階があって、1.確認 2.構想 3.情報収集 4.執筆までの流れを1時間の中で完了させる。 
1の確認段階においてはレポートのテーマを教師は与える。ここで受講者の目的意識を明確化する。
2.の構想段階においては、そのテーマについて受講者が持っている範囲内の知識を元に文章を書いたり、話し合いをしたりする。筆者によれば、この構想段階はコーヒーを入れる前にやかんを火に掛けるようなものだという。自らの限られた知識で能動的に自分で考えることで、受講者は自らの思考や知識を活性化する。この段階で重要なのは、この作業を通じて、課題解決の主役は受講者であるという意識を生み出すことができる点だ。さらに、自分の不足している知識を補いたいという知的渇望感のようなものを受講者に抱かせることができる。これは次の段階の授業者の講義への集中力を高めることになる。

3.の情報収集の段階は、一般的な説明的な講義なのだが、1.2.のプロセスを経てきているため、授業者は単なる情報を与えるという立場から、4.の受講者の執筆をサポートする立場へと認識上変化しているはずだ。4.実際に受講者はレポートを執筆し、執筆終了したら授業者にレポートを渡して退出。

  実際ただ話を聞いてノートをとるだけの授業というのは退屈なものだ。受動的な立場で物事に90分間まんべんなく集中するのはそれなりにしんどい。しかしながら、目的や課題を明確化し、問題解決に際してチェスのコマのように情報をただ受け取るだけでなく、情報を使ってどのようにコマを動かす(執筆する)立場に受講生をしむけることができれば、彼らが能動的な活動主体になるわけで、授業への集中力が高まるだけでなく、同じ90分間から得るものもより大きくなりそうだ。

近い将来、実践的なビジネス・セミナーのようなものをやらないかという話がある。その際には、受講者の実利的な満足度を高めるために、このBRD方式をアレンジしたものを自分なりに活用してみてみたいと考えている。

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