読書と出版

[新訳]経験経済

[新訳]経験経済
絶版となっていて手に入らなかった『経験経済』に新訳版が出たので購入し、早速読んでみた。

産業構造の移行が農業→産業→サービス→経験といった形で説明されている部分にはそれほど目新しさはないかもしれない。

しかし、ここではその次の段階の現状や可能性について議論されている点が特筆に値すべきだ。本書のタイトルにもなっている「経験経済」の代表格はやはりディズニー・ランドであろう。作り込まれたテーマパーク、非日常的な娯楽体験は経験的満足と思い出をもたらす。

しかしながら、それはやはり一過性のものにすぎない。その次に人が求めるのは一過性ではなく持続する変化だという。例えば、家のリフォームや美容整形などのテレビ番組が最近よく放送され、人気もあるようだ。どちらも一過性の変化や経験ではなく、モノで言えば改造、人で言えば変身に近い。こういったニーズに答えていくことがビジネス的に重要になってくると、著者であるパインとギルモアは指摘する。


こういった動きを彼らは変革経済と名づけている。パインとギルモアの議論には先見性だけでなく説得力も十分ある。ビジネスや産業構造のありかたを考えるだけでなく、現在の情報社会や消費社会のありかたを考える上でもエキサイティングな内容になっている。読んでおいて損はない一冊だ。

ピックアップ記事

  1. One Book, Three Points, One Actionから始めよう…
  2. 日常のコミュニケーションにストーリーを!
  3. ストーリーは「心」を動かすための演出
  4. 相手にアクションを求めるなら「失敗談」と「成功談」をセットにしたストーリーを伝え…

関連記事

  1. 読書と出版

    「劇的(ドラマティック)」に「色」で売れ!

    webサイトのデザインでも雑誌の編集に関しても、色というのは重要な…

  2. 読書と出版

    青木仁志著『一生折れない自信のつくり方 実践編』

    はじめに筆者の講演を録音したCDが本に付属していて、そちらに魅力を感…

  3. 読書と出版

    不透明な時代を読み解くためのバイブル 秋山隆平 『情報大爆発』

    あなたは、現在の不透明な経済・社会状況を展望するためのパラダイムを手…

  4. 読書と出版

    「江古田文学」60号

    「江古田文学」60号「しりあがり寿」特集が全国書店にて発売になりまし…

  5. 読書と出版

    大百科という言葉に弱かった

    僕の場合、けっこう環境的に恵まれていたと思うのだが、高校二年生くらい…

  6. 読書と出版

    『週末ライターで稼ぐ』

    新井イッセー著『週末ライターで稼ぐ』(雷鳥社 2004年)を読んだ。 …

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

アーカイブ

  1. ライフハック

    【ザイガニック効果】あえて脳をざわつかせて活性化する読書術
  2. ストーリー思考

    今ここにあるマイナスをプラスに転化するストーリー思考 
  3. 日記

    心を動かす政治状況
  4. 研究

    米大学で「白人学」相次ぐ開設
  5. 日記

    2012年もよろしくお願いいたします。 
PAGE TOP