勤務先の大学の講師である下原敏彦先生から直接いただいた『伊那谷少年記』を読んだ。
あとがきに著者の実体験がこの作品の下敷きとなっていると書いてある。確かに、野生のフクロウの子供を拾って育てたエピソードなどは実体験がなければ、これほど活き活きと描写できないはずだ。
また「蜂追い」をめぐる物語も圧巻だ。この言葉「蜂追い」、始めのうちはまったく意味するところがわからないのだが、物語の進行と共にまるでよくできた謎解きのように明らかになっていく。
豊かな自然とたわむれコミュニケートしていた少年の姿を活き活きと楽しくこの作品は描いている。久しぶりに読んだフィクションだったが、非常に楽しんで読了した。
ちなみに、下原先生のweblog「土壌館 創作道場」もオープンしています。
コメント