Beyond boundaries:post national narrativesという授業を履修している。久しぶりに文学色が強い内容の授業。ポストコロニアルなどの植民地文学から文字通りグローバリゼーションを含めたポストナショナルな文化テキストにおける言説を対象にしている。
今週の授業のメインテキストはメルヴィルのBenito Cereno。100ページくらいの中編小説。前半は、情景描写ばかりで話がなかなか進まない。また、古い英語が結構混ざっているので文章もちょっと読みにくかった。いくぶんいらいらさせられる。後半になって、話が急に展開して、全体像が一気に見えてくるという感じの小説。簡単にいうと奴隷船における黒人の反乱を描いたもの。今、何とか読み終えたので、これからこのテキストを扱った二本の学術論文を読む。それが今回の授業準備。
学術論文は、読み慣れているので英語でも割と自然に頭に入ってくる。わりあい日本語の論文より英語圏の論文の方が論理的でポイントも見えやすい印象がある。しかし小説はそれぞれ作者のスタイルや思考パターン、世界観、ヴォキャブラリーまで一律でないので、それに慣れるまでけっこう集中力が要求される。
今週は中編小説だったが、来週以降、まるまる小説を一冊読むという状況が増えてくる。他の授業のリーディングとのかねあいもあるので、時間配分が難しくなってくる。これからが踏ん張りどころだ。
ところで、画像があるこの本は大学の書店で7.99ポンドで購入した。今、リンク先のamazon.co.jpをちらっと見たら、844円。日本で買った方が、半額くらいで買える。しかも、7.95「ドル」が元値になっているので、それを7.99「ポンド」で売るというのは、明らかにおかしい。高値になっている。うーん。そういえば、手元にある本の表紙の裏に大きなシールが貼り付けてあって元値がわからなくなっているのも気になる。今度シティ・センターの書店に行ったら値段を確認してみよう。
イギリスの大学でアメリカ文学を扱うとういことで、最初「あれっ」と思いましたが(単純ですみません)、日本の大学でもいろいろな国の文学を扱うので別に不思議ではないんですよね。別にイギリス文学を勉強されているわけではないんですよね。他にもフランス文学やロシア文学を扱うこともあるのでしょうか。
“Benito Cereno”のことは知りませんでした。奴隷船での黒人たちの反乱なんて、読書欲をそそられる内容ではありますよね。このタイトルは主人公の名前ですか?英文の本をまるまる一冊読んで授業に臨まないといけないなんて、ハードです。がんばってください。
改行せずに、長いコメントを投稿してごめんなさい。
次回から気をつけます。
削除はできないんですよね。
tokyodollさん、こんにちは。
そうですね、確かにひねくれたことをやっていると思います。イギリスの大学なのに、アメリカ研究なんて。
ただ、アメリカ研究の一環なのでイギリスでアメリカ文学を読むこと、それ自体はおかしいことではないのです。アメリカ文化研究の一端として文学も読んでいるということなんです。幸いロシア文学やフランス文学は読まなくてすみそうです。
“Benito Cereno”は黒人奴隷とアメリカ白人の間の媒介者的な、とても微妙な立場に追い込まれてしまっているスペイン人の名前です。前半はかなり退屈かもしれませんが、後半に急展開してなかなか面白いことになります。ただ、翻訳があればそちらで読まれた方が楽しめる気がします。船関係の専門用語が多いので僕は結構苦戦しました。
長いコメント大歓迎です。
改行も気にしないでください。
僕も気にしていませんので。
こんにちは。ノボル(ごめんなさい漢字がわかりません)さんのホームページに驚いているところです。この間は楽しかったですね。
これは、ジョンの家で話した映画アミスタッドの原作ですね。いつか読んでみようと思います。
Mayumi
Mayumiさん、こんにちは。
名前はカタカナで結構です。
漢字、僕の名前は一般的なものではないので。
Benito CerenoとAmistadは黒人奴隷による奴隷船上での反乱という共通項はあるのですが、実は別の話です。以下にAmistadに関しては手短に書いてあります。
http://art.schoolbus.jp/English/archives/000345.html
先日撮った写真、近いうちに送らせていただきますので少々お待ち下さい。それでは、またロータリーのイヴェントでお会いしましょう。