ある一冊の本を読んで、知らず知らずのうちに自分のマインドセットの中でガラパゴス化の傾向が強まっていることに気づかされました。
ガラパゴス化とは、内向きの特殊な文化圏をつくることを意味しています。
たとえば、日本独自の進化を遂げた携帯電話がガラパゴス化の顕著な例ですね。
ガラパゴス化の問題点
脳科学者・茂木健一郎氏は実は日本人の思考パターンも内向きに硬直化しており、ガラパゴス化の道を歩んでいると指摘しています。
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さらに、それがアップルのスティーブジョブズやマイクロソフトのビルゲイツのようなカリスマ経営者が日本から現れない背景の一つだと主張しています。
以前なら職人的にコツコツとモノづくりをして、ローカルな文脈でそれが評価されることで、十分成功モデルを築くことができました。
しかし、インターネットによりネットワーク化された世界では、単にローカルな文脈でモノを提供するだけでは生き残れません。ローカルな文脈を積極的に越えて付加価値を提供していく必要があります。
たとえば、国内や組織の中で内向きの発想をしていたのでは、外国の未知の消費者に付加価値を提供するにはいたらない。
ゆえに、意識的にガラパゴス化した内向きのマインドセットを外していく必要がある、というのがおおまかな茂木氏の主張です。
自らのガラパゴス化にどう抵抗していくのか
では、どうやって、内向きに硬直化したマインドセットを外していくのか?という話になるわけです。
そこで紹介されているのは「直接性の原理」というもの。
私たち日本人のほとんどが、すべてをワンクッションおいて「間接的」に受け止めることに慣れているし、そこに疑問を感じる人はむしろ少ない状況にあります。
いろいろな海外コンテンツ、たとえばマイケル・サンデルの「ハーバード白熱教室」などもNHKが日本語版の番組に落とし込んで、翻訳したものを受容するパターンがほとんどです。
しかし、翻訳のプロセスそのものに古い日本型のバイアスが入りこんでいる可能性があります。
そこを意識的に乗り越えるためには、コンテンツに「直接」触れ、肌でその中味や熱を感じる努力をする必要があります。このような「直接性」こそ、硬直した内向きのマインドセットを外すのに有効だという意見に私自身もその通りだと思いました。
さてさて……
しかし、自分を振り返ってみるとどうだろうか?
何度か海外留学して、英国の大学院の学位まで取っているくせに、英語のコンテンツに直接触れる機会を意識的に増やしていない。洋画を観るとき、最近は日本語字幕を何も考えずにオンにしています。
海外の友人とのやりとりで英語でメールを書く機会はありますが、情報のインプットに関しては、日本語が90%以上を占めています。
自分自身のマインドセットもガラパゴス化してきている……そんな気持ちが強くなりました。
インターネットの普及により、良質の海外コンテンツに直接アクセスできる機会も環境も既に整っています。
Skypeを使えば、海外の友人とお金をかけずに直接意見交換でき、今やTEDのような良質なプレゼンテーションコンテンツがあり、海外大学の授業もネット公開されています。
その意味で、あとは本人の気持ちや意識次第のはず。
ささやかな抵抗
そこで、NHK World Wideがいつでも視聴できるというふれこみのスマートフォン・アプリをダウンロードしてみました。
海外版NHKは最強の生きた英語教材だぜ!『NHK ワールドTV ライブ』が国内でもリリースだ!
日本のトピックが中心ですが、リアルタイムの英語ニュース番組を視聴できるので、ちょっとした空き時間を使っての英語のリハビリにはちょうどいい感じです。後はいかに習慣化できるかですね。
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