先日、悔しい思いをしました

■ はじめに…… ━━━━━━━━━━・・・・・

先日、悔しい思いをしました。


このブログでも発行しているニュースレターでも「ストーリー思考」をタイトルとしてもテーマとしても掲げている私。

しかし、恥ずべきことについ先日ストーリーを活用すべきチャンスに自ら気づくことができず、みすみす見逃してしまいました。

反省の意味をこめ、その時のことをお伝えしたいと思います。

regret
photo credit: cesarastudillo via photopin cc

■ ある会合にて…… ━━━━━━━━━━・・・・・

それは先週、ある組織の全体会合に出席していたときのことでした。

私はその組織の広報担当者なので、イベントごとがあると広報記録用にカメラを構えていることが多いのです。

その日も、会合の後半で表彰などが予定されていたので、撮影準備をしていました。

ふと、その会合の責任者が私のところにやってきて次のように言いました。

「阿久澤さんが先月提案してくれて、今月から実施することになっている企画がありましたよね。少し時間を作るので、これからちょっとフリーで話してください」

撮影のことしか頭になく、完全に不意をつかれた形になった私は慌てました。

その企画については、すでに目的や実施概要を文書で関係者に通達していたので、あらためて口頭で伝える必要はないだろうと勝手に考えていたのです。

■ ともかく切り口を考える…… ━━━━━━━━━━・・・・・

ともかく、どんな切り口から話そうか、それだけでも決めようと思いました。そして、その時に出した結論は、その企画の持つ関係者にとってのベネフィットに的をしぼって説明しよう、ということでした。

いざ私が話す順番がやってきて、スピーチ自体は、とりあえず無難に終えました。

■ よくよく考えてみると…… ━━━━━━━━━━・・・・・

しかし、スピーチを終え冷静になった頭で、自分が話した内容が関係者から共感、納得を得られる形になっていたか?と考えると自分の中から疑問がわいてきました。

よくよく考えると、関係者にとってのベネフィットだけ語ったということは、企画の持つ「都合の良い側面」だけ語ったことになります。

「光と陰」で言えば光の部分しか語っていない。物事には必ず「光と陰」「プラスとマイナス」の側面があります。その一方にだけフォーカスした議論は視野がせまく、もしくは底が浅く、ご都合主義のものになりがちです。

聞き手としても、一方にだけフォーカスした偏った議論よりも、物事の両側面を踏まえた内容の方がより納得感があるはずです。

そう考えると「あの時こそストーリーに落としこんで話せば、もっと伝わる形にできたよなあ」と悔しく思ったのです。

■ ストーリーにインストールされているもの…… ━━━━━━・・・・・

なぜなら、ストーリーの基本的な流れは、以前お伝えした通り「越境→葛藤→成長→成功」であり、この中にはマイナスとプラスの両側面がインストールされているのです。

簡単に分ければ、
前半の「越境」「葛藤」がマイナス部分、
後半の「成長」「成功」がプラス部分ですね。

新企画をスタートすることは、関係者にとって新しい挑戦、未知なる領域に踏み込むことであり「越境」のステージにあたります。

企画実施に向けては、調査・準備・費用・周囲の協力を求める必要など、それなりに苦労や壁をともなうことが想定されます。ここが「葛藤」のステージです。

「葛藤」のステージを乗り越え、企画を形にするための知識・知恵・ノウハウなどを手にするのが「成長」のステージですね。

企画が実施され、当初思い描いていた目的やビジョンが達成される、これが「成功」のステージです。ここでやっと「葛藤」のステージで経験した苦労が報われるわけですね。

この流れで話をすればよかったなあ、というのが今抱いている正直な気持ちなのです。

■ おわりに…… ━━━━━━━━━━・・・・・

今回、そういったわけで「ストーリー思考」の実践をまだまだ徹底できていない甘い自分を自覚させられた出来事を紹介させていただきました。

私たちの生活場面において、ストーリーを活用できる場面、ストーリーを活用することでパフォーマンスをアップできるケースは意外に多くあります。

ぜひ、そうした機会をとらえ、一度でも二度でもストーリーを活用してみてください!

≡≡≡ ストーリーをめぐる言葉≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

「ストーリーという言葉を使うと、何か新しく創作するというイメージを思い浮かべる方も多いようですが、必ずしもそうではありません。

ビジネスにおけるストーリーはむしろ発見するものです。今まで見えていなかったものでも、視点を変えることできっと見つけることができます」

——————————————- 川上徹也

川上徹也氏は湘南ストーリーブランディング研究所代表。ストーリーブランディングで目覚ましい活躍をしている人物です。

ビジネスストーリーは作ってしまうとウソになります。発掘もしくは視点の切り替えが個人的には大切だ感じていますので、この言葉に共感しました。出典は以下。

川上徹也『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』クロスメディアパブリッシング、2009年、8頁
http://goo.gl/LjqHQ

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【編集後記】

ちょっと気になった記事。

■フランス、全自動車に対してアルコール検知器設置を義務づける(SLashdot)
http://slashdot.jp/story/12/02/29/0036235/
発想の転換ですね。根本から徹底的にやるという……。
どこかの国とは違い、政府の本気を感じます!

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