あなたは人間の心理に理解がある方だと思いますか。
人間理解のヒント
もちろん、そんなこと知らなくとも生活していけます。
しかし、人生を快適に過ごしていく上で、周囲の人々やあなた自身に対する理解を深めていくことは必要不可欠。
そのさい人間の心理傾向を少しでも知っておけば、周囲の人々やあなた自身を理解する上で大きなヒントとなります。
それでは大学などで心理学を一から学ぶべきなのでしょうか。
そうできれば確かにいいですね。
しかし、そんな時間はない! という人が大半だと思います。
ポイントを押さえるのに役立つ本をご紹介
実際、私たちが生活していく上で知っておくべき人間心理に関する情報はさほど膨大ではありません。
いくつか大切なポイントだけを押さえておけば事足りるのです。
今回、ご紹介する樺沢紫苑『1億稼ぐ人の心理戦術』はそうしたニーズにぴったりの本です。
『1億稼ぐ人の心理戦術』について
ただ、タイトルにある「1億稼ぐ」は単なる飾りで、お金儲けの本ではありません。
ともかく著者は精神科医で心理学にかなり詳しい。
しかし、専門用語をほとんど使わず、わかりやすい日常のエピソードをつかって人間の心理傾向を説明しています。
また本当に生活や仕事で必要となりそうな人間心理にしぼって解説しています。
クレーマー対策のポイントは「感情伝染」
たとえばクレーマー対策におけるポイント。
相手がいくら感情的になっていても、こちら側としては「落ち着いて普通に」対処すべきとのこと。
こちらが不安や怒りで感情的になっていることを相手が感じ取ると、それが相手をさらに感情的にさせます。
なぜなら、相手の感情の動きを察知し、それに連動する「感情伝染」という性質が人間にあるからです。
したがって、こちらが感情的にならずに「普通に」「冷静に」対処すれば、相手も冷静さや落ち着きを取り戻してくれる可能性が強い。
少なくとも火に油を注ぐことにはならない。
「好意の返報性」「承認欲求」
その他にも、たとえば人間関係においては
「好意の返報性」「承認欲求」などが重要なキーワードとして紹介されています。
何かをしてもらうと、それを返したくなるのが「好意の返報性」。
<人に認められたい>、<人から尊敬されたい>という「承認欲求」が人間にはインストールされています。
建設的な関係を築きたい相手とは、その「承認欲求」を損なわないように気をつけるべきなのです。
逆にそれを満たし「自己重要感」を高めることを意識したコミュニケーションを心がければうまくいく、というわけです。
そんなヒントが多くちりばめられています。
読了後の姿勢によって本書のインパクトは大きく変わる
読んで「面白かった、何となく人間心理についてわかった気になったぞ」という
「知的消費」のレベルで終わらせる方にとっては、
たくさんある人間心理を扱った本の中の一つにとどまることでしょう。
一方、「この本に書いてある内容、試してみよう、実践してみよう」と考える人にとっては、
すごく「使える」内容なのでインパクトを体感できる本だと言えます。
コメント