ストーリー思考

ストーリーを活用すれば仕事が楽しくなる

働き方が問題や議論の対象となっています。長時間労働、サービス残業、さらに過労死や鬱病など、確かに課題は多そうです。

私がかつて所属していた企業の社内研修で、社外講師が次のような質問をして挙手を求めました。

「元気で生き生きと仕事をあなたはしていますか?その逆でむしろ仕事や生活に疲れている?あなたはどちらですか?」

すると、そこにいた約9割以上の社員が「疲れている」という回答が当てはまると手を上げていました。圧倒的に大多数だったのです。この結果をあなたはどのように受け止めるでしょうか。

そして、あなたは前者ですか?それとも後者ですか?

確かに、長時間労働に代表される日本の労働環境は過酷だと言われています。そうした中で、一定数疲弊している社員がいても驚くにはあたりません。それでもさすがに、9割強は多すぎると私は感じました。そこで、質問を投げかけた講師に他社の状況を確認してみたところ、だいたい他の会社も同じような状況だと言うことでした。

かつての日本、とりわけ高度成長期には、仕事が生きがいで、やりがいを持って仕事をしていた人々は少なくなかったはずです。会社は演劇でいう大切な舞台のような存在だったはずです。

それが、今や会社で仕事をしている時間を必要な報酬をもらうための我慢の時間だととらえる人が増えてきているのかもしれません。

もちろん、理想的な仕事環境で好きな仕事ができるケースの方がまれかもしれません。人員の割に業務量過多で常に残業を強いられる、上司や同僚とのそりが合わず、仕事がしにくい、人間関係で悩みがある、など探せばマイナス要因はいくらでもあるかもしれません。

その一方で、圧倒的に少数ながら、同じ環境の中で、やりがいを持ち、仕事に生き生きと取り組んでいると回答した社員も当時所属していた企業に存在していました。

冒頭で触れた社内研修のさい、新入社員、若手社員、ベテランの社員から一人ずつ、「生き生きと仕事をしている」に自分が当てはまると全文で三名、挙手によって回答していたのです。

私の仕事上の専門は広報ですが、当時所属していたベンチャー企業では経営企画室に所属していました。そうしたこともあり、社員のモチベーションのありかたやその管理方法にも興味を持っていたので、彼らから話を聞いて、その要因を自分なりに探ってみることにしました。

2年目の社員(営業担当)は次のように話してくれました。

「まだまだ知らないことも多いし、先輩方には迷惑をかけ、怒られることもありますが、すごく充実しています。僕は入社5年後に独立・起業することを決めているので、そのためにここで修行しているつもりなんです。給料をもらいながら、修行させてもらっているのですごく恵まれていると思っています!」

事業部長クラスの社員は次のように語っていました。

「自分が任されている新規事業を少しでも早く形にして、年間億単位の売上げを生み出すことに集中し夢中になっているので、疲れを感じている暇はない。自分がどこまでやれるか本気で試してみたい」

そして、入社前から天才プログラマーと期待され、実際に質の高い仕事をしていた新入社員は次のように語ってくれました。

「僕は、既存プログラムに埋め込まれているバグ(プログラム上の課題・問題)は、ロール・プレイング・ゲームによけるドラゴンのようなものだと位置づけています。ドラゴンは強い敵キャラであり、やっかいな存在ですが、それを完膚なきまでに打ちのめした時、達成感と快感があります。僕はそれを楽しんでいるまでです」

もちろん、三者三様なのですが、興味深い共通点がありました。共通していたのは、会社から割り当てられたから仕方なく目の前の仕事をこなす、というような姿勢は彼らから微塵も感じられなかったことです。

「将来独立するための修行をさせてもらっている」
「新規事業から年間億単位の売り上げを作ってみたい」
「バグというドラゴン退治による達成感や快感を得たい」

それぞれ視点や考え方は違いますが、共通しているのは圧倒的な当事者意識を持って、自分ならではのストーリーを生きていることでした。

もちろん、仕事を楽しめるか楽しめないかは本人の意識次第。

自分が主人公になって活躍するストーリーを描き、それを生きているという実感を持てれば仕事だけでなく、人生もわくわくと楽しいものになるはずです。それがない場合、仕事を「やらされている感」があなたの意識に次第に充満し、仕事で心身ともに疲弊するリスク回避が徐々に困難になってしまうのかもしれません。

あなた自身を主人公にしたストーリーを描いてみてはどうでしょうか。そうすることにより、仕事に取り組む姿勢も前向きになり、仕事を楽しむことができるようになるはずです。

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