いつでも「ちょっとした冒険」に出られるよう準備しておきたい

 
リーバイスはご存じですよね?



そう、押しも押されぬジーンズのファッション・ブランドです。

その創業者はリーバイ・ストラウスくん。この名前をご存じの方も多いでしょう。

さて、このリーバイくん、はじめからファッション業界で活躍しようと野心を燃やしていたのでしょうか?

いいえ、全然ちがいます。

彼は、10代の時にアメリカにやってきて行商をはじめました。

ある日、リーバイくんはカリフォルニアのゴールド・ラッシュの話を聞きつけます。

いてもたってもいられず彼はサンフランシスコへ行きの船に乗ります。

その道中、鉱夫予備軍の人々にさまざまな必需品を売って大儲け。

おかげで手持ちの商品はほとんど売り切れました。
 

売れ残った布

しかし、その中にまったく売れないものもありました。

それは、テント用の幌布。

サンフランシスコに到着してからも、なんとかその布をは売ろうとしたリーバイくん。

しかし、さっぱり売れません。

そんなある日、市場をぶらぶらしているとき、リーバイくんはある事実に気がつきました。

ズボンが品薄だということ。

採掘の仕事は、タフな仕事です。

そんな中、ズボンが破れたり擦り切れることが多く、採掘者は仕事を続けるためにズボンを買い換える必要が頻繁に生じていた。

そこで、自分の売れ残ったテント用の布で丈夫なズボンをつくったら買い手は必ずつくはず、とリーバイくんはひらめいたわけです。

そこで、リーバイくんは仕立屋を雇って、幌布を使ったオーバーオールを作らせ、それを売りだすと大ヒット。

 

教訓を導き出すなら

ここから私たちが導き出せる教訓はなんでしょうか。

目の前に転がっている偶然をチャンスにするには、ちょっとした柔軟性があればいいということではないでしょうか。

手持ちの売り物を別商品に作り替えて、売るというのは考えようによってはリスクです。

リーバイくんは仕立の知識も技術も持っていなかったわけで「ともかく丈夫なものを頼む」くらいしか雇った仕立屋に注文できなかったのではないでしょうか。

それでも、市場のニーズをつかみとり、リスクをとった。それが彼の成功の要因でしょう。

ブルー・ジーンズの文化史

こう書くと、リーバイくんは勇敢な人物のような印象を持ちますが、現実的にはサンフランシスコに着く前に彼が一儲けしていたことが大きかったと私は想像しています。

そのため、彼には気持ちの中でも、金銭的にも多少の余裕があった。

ゆえに幌布をズボンにして売り出す選択は、彼にとって「ちょっとした賭け」くらいのものだった。

その意味で、このエピソードから勝手に導き出した個人的な教訓は次のようなもの。

 

「ちょっとした冒険」の積み重ねが人生を充実させる

チャンスを目の前に見つけたときに「ちょっと試してみる」ことができる心理的・時間的・金銭的余裕は常に確保しておくべき。

そうした「ちょっとした冒険」の積み重ねが人生を充実させていく上で実は意外と重要だと私は考えます。

その選択によって、自らに成長や変化をもたらすことになるからです。

あなたも「ちょっとした冒険」のチャンスが到来したとき、それをきちんとキャッチするために、心理的・時間的・金銭的余裕を確保しておくことに意欲的になってみませんか。

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