連載

ドラゴンの姿を事前に思い浮かべることで危機対応能力をアップする

今回、自らの失敗から学んだ教訓をシェアしたいと思います。



さて、ストーリー思考の基本を私は四つのステップで整理しています。

「越境」→「危機」→「成長」→「成功」

【参考】

さらりとまとめています
仕事に生かすストーリー思考

丁寧にまとめています

ストーリー思考の4大ステージ ~ 自分が今いるステージを確認しよう

仕事においても、この4つのステップを思い描いて取り組んでいたつもりが……単なる「つもり」になっていたことが先日、発覚しました。

そもそも、仕事やプロジェクトがすべてスムーズに運ぶとは限りません。

とりわけ新規で、初めて取り組むものならば、失敗がつきもののはず。

photo credit: Kalexanderson via photopin cc

 

先日、企画・立案・実施までメインで担当した新規プロジェクトが終了しました。

結果としては、当初の目標を達成できませんでした。

その原因として、そもそも企画立案の段階から、私はすべてが順調にいく、楽観的なプランAしか用意していなかったことがありました。
うまく行かなかった場合のプランBはまったく頭にありませんでした。

そして、いざプロジェクトが走り出してみると、いろいろな困難に向き合うことになりました。

 

photo credit: Stéfan via photopin cc

 

スケジューリング自体、余裕を持ったものになっていなかったのでリカバリーできませんでした。

実にツッコミどころの多い仕事の仕方をしていたわけです(-_-)

結局、予想される「危機」や困難について複数の見通しを事前に立て、壁に直面したときの対策やリカバリー案を用意しておけば……と思っても、もちろん後の祭りでした。

そこで気づいたのは、ストーリー思考における「危機」のステップを私が突き詰めて考えることなく、いわばスキップしていたという事実。

反省しつつも、一歩引いた視点で見てみると、そもそも「危機」のないストーリーなんて、ありえないし、つまらない。

一般的に、物語の序盤はいろんな困難や壁に主人公は立ち向かうことになります。

それらを主人公が乗り越えられるか否か、読者や観客はハラハラしながら、見守ります。そこにいわゆる「スリルとサスペンス」があり、物語の面白味もあるのです。

そういった中、さまざまな困難を間一髪で一つ一つ乗り越えていく主人公の姿に私たちは自然と感情移入、共感し、いつの間にか応援するようになっていきます。

逆に考えれば、困難を経験しない、強敵のいない主人公に私たちは魅力を感じにくいとも言えます。

 

photo credit: Jane Rahman via photopin cc

 

主人公の前に立ちはだかる壁が高ければ高いほど、敵が悪事を働けば働くほど、それを壁を乗り越え、敵を倒した主人公は名を上げ、大きな成功をつかむことになります。

現実においても、ルーティーンワークをのぞけば、私たちが初めてトライして簡単にうまくいく仕事やプロジェクトはほとんどありません。

特に初めてのチャレンジのさいには、私たちは自分が主人公のストーリーにおいて、どんな「危機」が待ち受けているのか、全力で想像力を働かせて先読みする必要があります。

 

photo credit: balt-arts via photopin cc

 

まずは、敵としてのドラゴンの姿をイメージするだけでなく、その特徴や弱点を見極め、それを頭に入れることがポイントとなるでしょう。

次に、それを向かい打つ勇者として、あなた自身が何をしなければならないか、どんな準備が必要かを見極めておくことが大切になります。

そういったわけで、特に新しいプロジェクトやイベントに望むときには、あなたを待ち受ける「危機」について事前に思いを巡らせ、対策を考えておくことをおススメしたいと思います。

そうすることで、あなたのストーリーがハッピーエンドにたどり着く確率をより高めることになれば幸いです!

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